キーワードは「時間のリスク」反転授業教育のメリットと課題を考える

反転授業を受ける風景

最近、社会人スクールなどを中心に導入されている反転授業という学習形式。
僕が通っていたデジタルハリウッドSTUDIOでも、基礎的な部分は動画で、応用や実制作に近い部分を生授業で行う、なんていう形式をとっていました。

ありがたくも、最近HTMLやCSSなどを中心に、人に物事を教えるという機会をさせていただくことが少なからずあるのですが、最近、ようやく反転授業の重要性、というよりも、授業だけで全て完結させようとしないということの重要性を自分なりに理解してきた気がします。

反転授業とは具体的にどういったものか??

反転授業、先ほどもお伝えしたように、基礎的な部分、流行りなどに左右されにくい普遍的な内容については動画などを使って予習・復習的な位置づけで学習を実施、普遍的なことや、基礎的な内容を学習した上で応用力を磨くことを目的としたものについては生授業で実践をしたりします。

たとえば、デジタルハリウッドSTUDIOの例でいえば、PhotoshopやIllustratorなどのソフトの使い方などの基礎的な部分については動画で学習することができます。
そして、生授業においては「じゃあ使い方は覚えたけど、それをどう求められる通りにデザインしていくの?? 」という応用の部分や、映像で覚えたことをより深く理解するために、作品を作るなどした授業を生で行います。

従来の学習形式のデメリット

冒頭にも記載したように、最近HTMLやCSSを中心に様々な場所で教えるという仕事をさせていただくことがあるのですが、生授業で初めて新しい内容を教えることについてのデメリットみたいなものも感じてきています。

自分の腕が足りないのももちろんあるでしょうが、それ以外のところでも色々な要因によって、思い通りの時間の使い方をすることができない・・・なんていうこともあります。

たとえば脱落しそうな人が授業中にいて、それを一生懸命フォローしようとして、そういった状況が重なると思ったように授業進行ができなくなり・・・、そう、従来の授業形式、「時間に関するリスク」が非常に大きいんだなと僕は思ったんです。

上述した例以外にも、例えば台風や災害などで学校に来れませんでした、という時に、従来の授業形式だと、その分だけカリキュラムの進行が遅れてしまう・・・取り戻そうと必死になると、詰め込み・駆け足での授業になってしまう、そんなところですね。

反転授業のメリットを時間という観点から考える

従来の授業に対しての反転授業、そういう意味では、時間に関するリスクが減るということがあるなぁと思いました。

たとえば台風や災害などでも、基礎的な学習を自分で能動的に進められることができます。
やる気がある、モチベーションが高い人はどんどん先に進めることができますし、動画がなくても、自分で何とかして学習しようという意欲があるので、何とかなってしまいます。

それに対して、モチベーションや意欲が比較的に低い人でも、言い方は悪いですが、基礎的な学習教材が与えられているので、その内容に従って学習を進めていくことが、従来の授業形式よりも支障なく行えます。

今あげた例以外にも、反転授業形式の場合、うまく活用すると授業前に動画で生じた疑問点をヒヤリングしておくこともできるので、教える側の人も、何を伝えればいいのか最低限がまとめやすくすることになり、授業の時間管理がしやすくなります。

進んでいる人、遅れている人、差は多少なりとも出てくると思うのですが、フォローがしやすくなるので、フォローのために授業の進行が遅れてしまう・・・何ていうこともなくなります。

ということで、時間の管理がしやすく、時間に関するリスクが減るのではないかなぁというのが僕の考える反転授業のメリットです。

反転授業の課題

以上色々書きましたが、要するに僕は反転授業って素晴らしいなっていう気持ちを持っている人間です。
しかし、反転授業にも課題があると思っています。

課題その1:理解を広める

まず、一般にはまだまだ反転授業という言葉は広まっていないという現実。
これは、間違いないと思います。

なので、授業や学習のやり方の指示を間違えると「あの先生は何も教えてくれない」なんていう誤解を生む恐れもあったりするのではないかと思います。

反転授業とはどんなものが、動画学習はどんな意図があって行っているかなどをきちんと受ける側に理解していただく、これは今後続けていかなければならない努力だと感じています。

課題その2:動画教材の中身の濃密さと鮮度

反転学習を取り入れている多くの現場で導入されている動画教材。
動画教材のポイントは、「鮮度を高める」ということに尽きるのではないでしょうか。

普遍的な内容を、どんなことにも応用が利くような大事なことをきちんと伝えられていれば、動画授業の講師にたまたま会ったら歳をとっていて、動画授業が古いということを知った、なんていう状況になっても、きっとあまり気にならないでしょう!

とはいえ、その状況をあまりにも放置するのも考えもの。
やっぱり、時間の経過を気にする方は多いと思うのです。

そう考えると、何年たっても使える普遍的な内容を伝えることができる動画教材の中身の濃密さと、いつでも新しい映像を収録し、内容を差し替えることができる環境と、双方がうまくバランスのとれた状況が必要ではないかと考えます。

まとめ

ということで反転授業っぽさを意識して、今後も機会をいただけることがあれば、授業構成をうまく行い、何を授業中に教えて、何を後から細くするか、取捨選択をうまくした上で、授業に臨みたいと思います。

最近、意識しているわけではないですが、考察系のブログを書くことも多くなりました、
こういう内容でも深いことが伝えられる、書けるような人間になりたいと思います!

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