4月1日深夜、我が家で飼っていたハムスターの1匹、オスのけんぞうくんが天国へ旅立ちました。
2歳と2ヶ月でした。
ハムスターの寿命は非常に短いです。2歳を越えれば十分に長寿なので、ある意味天寿を全うしたところはあると思うのですが、最後の瞬間がとっても印象深いものだったので、ある種自分のためにブログに残しておきたいと思いましす。
けんぞうくんとの突然の別れの瞬間
旅立つ前日まで、けんぞうくんは普通に元気でした。いつものようにバタバタ飛び跳ねていたり、僕が近づくとけんぞうくん自ら近寄ってきてくれたり、普段と何ら変わらない様子のけんぞうくんが、そこにはいました。
そんなけんぞう君の最後の日。
その日僕は、先生をさせて頂いた学校の担当クラスの最終発表会があり、その打ち上げもあって終電帰りでした。(奥さんも然り)
打ち上げは本当に楽しく盛り上がり、一つの区切りを迎えたという充実感を噛み締めながら帰宅してみると、いつもと様子の違うけんぞうくんがいることに気づきました。
部屋の端っこで小刻みに体を揺らしたまま、餌をあげても反応せず。
起きてはいるものの焦点があっていない感じがしたのです。
手を差し伸べても動く様子がなくじっとしているだけ。
「これはおかしい」そう感じるまでに、時間はかかりませんでした。
しばらくしていると、けんぞうくんの方から僕らに寄ってきてくれました。
しかし、明らかに不自然な体の揺らしかたをしながら、なんとか這いつくばりながら近づくありさま…
「これは長くない」
すぐにそう悟りました。
明日病院に連れていくとかそういうレベルではなく、下手したらあと数時間の命かもしれないと。
「そうはいっても、もしかしたら何かできることはあるのかもしれない」
けんぞうくんの身に何が起きているのかがわからない…そんなもどかしさから、ひとまず奥さんがけんぞうくんを抱っこし、様子を見てみることにしました。
けんぞうくん、しばらくじっと動かないまま、目は開きつつも息はなんとなく苦しそう…
結局けんぞうくんの身に何が起きているのかわからないまま、しばらくすると、突然けんぞうくんはバタバタバタと僕の手の平の上に駆け寄ってくれたのです。
まるで、最後の力を振り絞るかのように。
そして、そのままけんぞうくんは僕の手の上で、天国に旅立っていきました。帰ってきてから最後の瞬間まで、1時間とちょっとの出来事でした。
けんぞうくんとの思い出
けんぞうくんは普段から本当に懐っこい仔でした。
僕の本業の仕事がフルリモートで在宅、かつコロナの情勢もあり、けんぞうくんと過ごす時間は本当に多かったと思います。
時々水飲みやトイレでけんぞう君が起きてくると、毎回のように触れ合っていました。
1歳をすぎてからは、僕が手を差し伸べると自分からひょこっと乗っかってくれたり、僕が近づくだけで向こうから駆け寄ってくれたり、餌も平気で僕の手の上で食べてくれるようになったり、本当に本当に愛くるしい存在でした。
また、けんぞうくんはユニークさも持ち合わせていました。
こんなふうに、人目を気にせず寝そべるようになったりもしました。
また、ハムスターの習性もあるとは思うのですが、メスのハムスターを近づけると異常なほど臭いをかぎ、一緒に散歩させると、ひたすらメスのハムスターを追いかけ回していました。
でも、他の2匹のメスハムスターはどちらもけんぞうくんには目もくれず…苦笑
それでも純真にメスハムスターに近づいて後を追っていく様子がまたお茶目で、わざとメスハムスターを近づけてイタズラしたくなるほど可愛いらしかったのです。
けんぞうくんは、たくさんたくさん僕らを笑わせてくれて、和ませてくれました。
世間の情勢は大変な時期でしたが、そんなことを忘れさせてくれるほど温かい時間がそこにはありました。
特に僕は、けんぞうくんとはかなり仲良しになれたと思います。
奥さんも「男同士通じてるんだねぇ〜良いコンビだねぇ〜」という言葉をかけてくれるほどでした。
最後の瞬間に見せた仕草に思うこと
ハムスターの寿命は短いです。何匹も飼っていると、その分だけ別れの数も多く経験します。
その寿命の短さを考えれば、言葉は不謹慎かもしれないけど正直「慣れ」てくる部分も少しはあります。
いつ何時、今回のようなことが起きてもおかしくない…そういった心の準備をしておかないと、余計に別れたときに辛くなる部分があるからです。
だけど、今回も、悲しい気持ち・寂しい気持ちはやっぱりたくさんありました。今回も本当に泣きました。
でも、今回けんぞうくんが最後に見せてくれた仕草を振り返ったとき、僕らが注いだ愛情は間違いなくけんぞうくんに伝わっていたなぁと思えました。
きっとけんぞうくんは旅立つ日の朝から調子が悪かったんだと思います。そんな苦しい状況の中、終電なかなか帰ってこない僕たちを待っててくれたんだと思います。
そして、最後の瞬間の前に僕の手の平にかけよってくれたことを思うと、それは彼なりに僕に示してくれた、けんぞうくんから僕への感謝の気持ちなんじゃないかと思えて、別れどきに使う言葉ではないかもしれないけど、そのことがすごく嬉しくもありました。
今まで、何匹かハムスターを飼ってきました。
あっという間に旅立った仔もいたので全員ではないのですが、それなりの時間を一緒に過ごし、仲良くなれた仔は、必ずといっていいほど最後に今回のような仕草や行動を示してくれます。
人間と動物の間でも気持ちって伝わるんだなぁ… そう感じられる出来事でした。
ありがとう、けんぞうくん
まだまだコロナで世間の情勢が落ち着かない時に我が家に来てくれてから、本当に楽しくも幸せな時間を過ごすことができました。
ハムスターって、慣れて懐いてくれる頃に別れ際を迎えることも少なくないのですが、そういう意味ではけんぞうくんは早い段階で心が通じ合えてよかったなと思います。
けんぞうくん、ありがとう。君と過ごした日々は本当に幸せだったよ。