先日、六本木未来大学というイベントに足を運んできました。
このイベント、今回で9回目なんですが、僕は4回目の参加。
いつもこのイベントのことをブログにしようと思いつつ、話が高度で自分の中でうまくまとめられなくて、なかなか六本木未来大学のことを書く機会がなかったのですが、今回は頑張って書いてみよう! なんてことを思いました。笑
普段使わないような頭をたくさん使うので、とっても疲れはしますが、それがすごく心地良いです!
目次
六本木未来大学って?
六本木未来大学は、「くまもん」の生みの親として有名な、クリエイティブディレクターの水野学さんが発案したイベント。
クリエイティブディレクションを学ぶ学校が必要だ、という水野さんの思いから始まった構想が、形になったものです。
毎回毎回、六本木ミッドタウン内の一角を会場として、色々な方々をお呼びして、「○○とクリエイティブディレクション」という大枠のテーマ(実際それぞれの会はもうすこし細かくテーマが定められていますが)という感じで、2時間ほどの話が繰り広げられます。
僕は今回4回目の参加。
僕がこれまで参加した4回分も、なかなかの講師陣でございまして、
- 水野学さん
- 鈴木おさむさん(放送作家でおなじみ。森三中・大島みゆきさんの旦那さん)
- 伊藤直樹さん(PARTY)のCEO
そうそうたる顔ぶれ・・・
そして今回のゲスト講師は、弁護士の水野祐(みずのたすく)さんでした!
弁護士・水野祐(みずのたすく)さんって??
では、弁護士・水野祐(みずのたすく)さんってどんな人なのか??
僕もあまり予習なく行ってしまったのが正直なところなのですが、結構僕でも知っているようなプロジェクトに多々関わっていらっしゃる方でした!
実例をすこしだけ掲載していますね!
「Perfume Global Site」プロジェクト。
Perfumeの3人のダンスと音楽のデータを使って、色々な人が作品を作れるというプロジェクト。
今年話題になった、「Photo METI」。経済産業省が、様々な日本の美しい景色の写真をフリーで配布しているサイトです。
「えっ、どういう関わり方をしているの?」なんて普通は思うのですが、水野さんは、上記のようなプロジェクトを「法の面から支える」立場として、プロジェクトに関わっていらっしゃるとのことでした。
例えば「利用規約を作る」という仕事はまさに、プロジェクトを法の面から支えるという言葉に相応しい仕事ですよね!
クリエイティブ・コモンズを通じて訴える「法=規制」だけではないということ
水野祐(みずのたすく)さん、クリエイティブコモンズジャパンの理事をされている方なだけあって、特にお話の後半では、著作権周りの話を中心に語られていました。
回を通じて水野さんが伝えていらっしゃったこと、それは「法=規制、だけではない。法は社会の物事が円滑に進むための潤滑油になる」ということでした。
言い換えれば、法は何かを縛るということだけではなくて、法をうまく解釈して、最大限に自分よりに活用していくことで、新しいクリエイティブや概念もどんどん生まれて、世の中が良い方向に向かっていくのではないか、ということです。
法のグレーゾーンをクリエイティブに解釈していく
日本の法律を実例に取ると、今現在施行されている日本の法律の多くにも、曖昧な表現が存在しています。
たとえば「著しい支障」「みだりに」などなど。
例えば「著しい支障があったときは・・・」なんていう法律の一文がありますが、「著しい支障ってどんな時?」っていうのが明確に書いてあるわけではありません。
そこにはいわゆるグレーゾーンが存在します。
上記の例だけではないですが、法(法律とは違う)にはグレーゾーンの部分がたくさんあって、自分に最大限に有効活用していこう的なものでした!
クリエイティブコモンズ自体の説明については、このブログでは割愛して上記のサイトにお任せはいたしますが、著作権についても、白か黒だけだと「法を守るか違反するか」だけになってしまい、そこから先の価値観が生み出せなくなってしまう。
なので、グレーゾーンを明瞭化してより分かりやすくて、使い方次第で物事の価値観を広げていけるような活動を様々な面でしていらっしゃるのが水野祐(みずのたすく)さんのお仕事、ということのようです。
実際、巷ではクリエイター目線に立った弁護士として名を馳せているみたいでして
上記などの記事でも紹介されていますが、Chim↑Pomというアーティストが渋谷駅構内にあった岡本太郎の作品に勝手に塗り足しをしてしまい、本来ならば軽犯罪法に基づき起訴されるようなことをしてしまったのを、法をクリエイティブに読み替えたことによって、不起訴にしたという実績(といっていいのかな)もあるそうです。
新しい弁護士像・法を守るだけではなく、法を作る
弁護士っていうと、既存の法律がまず念頭にあって、法律に基づいて、人や人の権利を守るという順番で仕事を行う方々と僕も捉えていたのですが、水野祐(みずのたすく)さんの場合はその逆で
という仕事をたくさんされているということが僕なりにわかりました。
ここで、「法律」ではなくて、「法」と表現しているのは、理由があります。
あくまで法律は国会での承認を元に施工されるものなので、弁護士に限らず、一般の方が法律を作って勝手に施工するのは民主主義制度上無理な話です。
ただ、「利用規約」に代表されるような、各々の「決まりごと」については、議会を通さずともできる話。
なので、前述したような「法律に存在するグレーゾーン的な表現」をクリエイティブに捉えて、「決まりごと」を作っていっている。その代表として、一番最初に紹介した「PHOTO METI」や「Perfume Global Site」のようなプロジェクトを「法の面から支える」仕事をされてきた、水野さんの仕事像が垣間見えたお話でした。
難しい話ではありましたが、法を楽しく捉えるきっかけになったお話でもありました!
水野さん、貴重なお話をありがとうございました!